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七味唐辛子の中身にはどんなものが入っているの?
(2020年1月9日更新)
七味唐辛子は我が家では絶対に欠かせない調味料です。
うどんやそば、牛丼によく使います。
カップ麺のうどんをよく食べますが、付属の七味にさらに足して使ったりします。
コンビニでうどんや牛丼を買っても、小さいのがついてきますよね。
さて、「七味唐辛子」に何が入っているかご存知ですか?
「七」という数字が入ってるから、7つの何かが入っているのですよね?
どんなものが入っているのでしょうか。
今回は、七味唐辛子についてお伝えします。
七味唐辛子の歴史とは?「三大老舗」とは?お店によって中身が違う!
「七味唐辛子」の発祥は、江戸時代にさかのぼります。
当時の、江戸「日本橋薬研堀(やげんぼり)町」で生まれたと言われています。
薬研堀町は、医者や薬問屋が多く、別名「医者町」で通っていたそうです。
この地で、1625年(寛永2年)、「からしや徳右衛門」が、漢方薬をもとにした七味唐辛子を工夫して、販売し始めたのが最初と言われています。
これが広まると、後に京都や信州の善光寺でも、それぞれの土地柄に合った七味唐辛子が生まれました。
そこで、七味唐辛子は「三大老舗」と言われる発展を見せました。
それぞれの七味唐辛子の中身は以下の通りになります。
●浅草・「やげん堀」…唐辛子、焼唐辛子、黒胡麻、山椒、陳皮、けしの実、麻の実。
唐辛子を、生のものと焼いたもの2種を使い、辛さに香りと深みを出す工夫をしています。
山椒は、鰻にも用いられます。
麻の実(おのみ)や陳皮(ちんぴ、温州みかんの皮)もさらに味に複雑さを付け加えます。
ただ辛いだけではない、調合されたスパイスの複雑さを楽しめます。
唐辛子と焼き唐辛子の量で辛さを調整できます。
みかんの皮が入っているのが、個人的には驚きでした。
●京都・「七味家本舗」…唐辛子、山椒、麻の実、白胡麻、黒胡麻、青のり、青紫蘇。
唐辛子以外は胡麻やのり、紫蘇を使用。
辛さもありますが、そのほかの「香り」に重きを置き、なおかつそれが特徴です。
●信州・善光寺「八幡屋礒五郎」…唐辛子、山椒、生姜、麻種、胡麻、陳皮、紫蘇。
生姜が入っているのが特徴ですね。
唐辛子、山椒、生姜、という、3種類の「辛味」を使っているのが非常に興味深いです。
胡麻と紫蘇を加えているのも、独特の香りがありそうです。
このように、7つの薬味を使うこと、唐辛子と山椒、麻の実、黒胡麻を使用するのは共通しています。
他はそれぞれ独特のブレンドですね。なので、おのおのの美味しさ、特徴を持っています。
私たちが一般のスーパーで購入するような「七味」は、おそらく東京の「やげん堀」のものに近いのではないかと思います。
東京のスーパーでは、浅草の「やげん堀」さんの七味を手に入れることも可能です。
他の地域、関西や中部地方ではまた違ってくるのかもしれませんね。
※なお、「麻の実」は、それだけを取り出して栽培することができないように、「発芽防止処理」が施されているそうですよ。なので、安心して使用してください。
江戸の「七味唐辛子」昔の言い方は今と違っていた!
(写真引用元:「浅草 やげん堀」ホームページ)
「七味唐辛子」、通称七味(しちみ)という呼称は元々関西のものでした。
関東では七味と書いて「なないろ」それも「なないろとんがらし」と呼ばれていたそうです!
江戸っ子は「なないろ」と言っていたんですね。当時を想像すると、なんか楽しいです。
時は流れて昭和21年。当用漢字が制定された際に、名称を七味(しちみ)と統一したそうです。
しかし、今でも「なないろ」と呼ぶお年寄りも多いそうです。
400年近くも、庶民に親しまれ続けてきた七味ですから、「愛称」にも歴史を感じますね。
さいごに
上の写真は、スーパーで買える「やげん堀」さんの七味唐辛子です。
香りがよくて、とてもおいしいですよ(^^)/。
うどん、そば、味噌ラーメン、お漬物、もつ煮、鍋物、牛丼、豚汁、きんぴらごぼう…。
これらを食べるとき、「七味」のない世界を想像できるでしょうか。(;^ω^)
私はできません!(笑)
それほど、現代においても、なくてはならない存在です。
そう考えると、ますます、この小さくてもピリリと辛く、深い味のする「奴」が可愛く思えてきました(^^)/。
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