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甘食って何?シンプルでおいしくて懐かしい!名前がちょっと変わったお菓子!
甘食(あましょく)
を知っていますか?
牛乳やお茶に合う、シンプルなスイーツですよね。
UFO型の、マドレーヌみたいに真ん中がポコっとしている…。
スイーツというか、パン、というか。クッキーに近いような、ホットケーキに近いような…。
あのどちらでもなさ感といいますか、独特感というか。
名前も不思議ではありませんか?「あましょく」って…。
シンプルで、懐かしく、そしてよく考えたら不思議な名前で、しかも全国区ではない…(!)。
今回は「甘食(あましょく)」についてお伝えします!
甘食(あましょく)って何?
甘食
とは、こんな食べ物です。
(写真引用元:山崎パン公式HPより)
円盤型です。見たことがある方も多いと思います。
クッキーのような、またはマドレーヌやフィナンシェみたいな、焼き菓子の仲間のようです。
食感は、マドレーヌに近いものを感じます。もっと、ねっとり、固く、口の中に残ります。
甘食は、関東地域の方のほうが馴染みが深い、と言われています。
確かに、西日本出身の私は、九州でよく見た「ボーロ」の方が懐かしいです。
(福岡県の千鳥屋の丸ボーロ。写真引用元:千鳥屋公式サイトhttps://www.chidoriya.co.jp/item/marubouro.html)
甘食を食べると、この「ボーロ」を思い出します。
ウィキペディアや千鳥屋さんのサイトを見ると、「ボーロ」がまず南蛮渡来の味として発達しました。
そこをルーツとして出来上がっていったのが、「甘食」と言えるでしょう。
だから近いものを感じるのですね。
「ボーロ」はポルトガル語からきているそうです。
安土桃山時代にまでさかのぼる、とても長い歴史のあるお菓子です。
時は流れて明治時代。
ボーロの製法にバターが加わり、「甘食」となりました。
大正・昭和の時代には定番のお菓子となっていたそうです。
(名前に関しては、昭和30年代にほんのり甘い食パンの生地をくるっと渦に巻いて焼いたパンを「甘食」と呼んだこともあったとのことです。)
(「コティベーカリー」のページを参照。http://www.geocities.jp/coty_bakery/sub2.html)
「甘食」の名前の由来が知りたい!
甘食の名前が不思議すぎます。
甘い食べ物なんて、お菓子ならみんなそうだからです。
甘食がどんなお菓子なのか、どうやって発達してひろまったのか、それは調べるとすぐわかるのです。
でも名前に関してはなかなかわかりません。
甘食の語源を調べてみました。
そもそも、甘食はお菓子屋さんが作るものではありません。
現代でも、パン屋さんで売っています。
大手のヤマザキパンが作っていることからも、「パン」の分野であることがわかります。
●甘い食パンを渦巻き状にして焼いたものを甘食と言った。甘い食パンだから。(主に昭和30年代)。
●食事の間に食べる、甘い間食を甘食というようになった。
●甘いビスケットを大きくしたような食事用のパンからきているらしい(『パンの事典』(旭屋出版)より)。
ちょっと調べただけでも、諸説あります。
ロシアケーキやシベリアに並ぶ、「懐かしのお菓子あるある」だと思います。
なにせ、文献に乏しい。
庶民に親しみのある、あって当たり前のものほど、こういう傾向がありますよね。
なので、甘食の語源はこのへんにしておきます(笑)。
ついでに言いますと、考案者も諸説あります。
いつの間にか広まって定着してしまったおやつなのでしょうね。
この甘食の起源や語源に関しては、なんと「レファレンス協同データベース」というページにありました。
国立国会図書館が全国の図書館等と協同で構築している、調べ物のためのデータベースです。
豊中市の図書館に質問した方がいるらしく、非常に真摯に調べられています。
なんか、こういうのは楽しいですね。
よかったら参照してみてください。
さいごに
今回は、よく考えたら不思議な名前のシンプルなお菓子、「甘食」についてお伝えしました。
漢字2文字のスイーツです。
明治だって大正だって、昭和だって、おやつにはカタカナで横文字風に名前を付けてるじゃないですか…。
なぜ、「あましょく」だけ、「甘食」なんでしょうか…。
しかも、今でも根強いファンはいるのです…。
非常にもどかしい気持ちにもなる甘食について、調べてみました。
案の定、謎ははっきりとはしませんでした。
(はっきりとしたのは、「パン」のジャンルであることくらいですね。)
でも、多くの人に愛されて、今現在も食べられている、親しみのおやつであることに変わりはありません。
多くの人に普遍的に普及しているからこそ、空気のような存在だからこそ、謎が多い。
こんなことが分かってしまいました。
今後も気づいたことがあれば調べていきたいと思います!