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マグロでつくる「ねぎとろ」はネギとは関係がなかった!
(2020年10月18日更新)
マグロを使った料理「ねぎとろ」は、細かく刻んだネギが乗っていることが多いから、語源は、野菜のネギとマグロのことかと思います。
しかし、そもそもはネギは関係がなかったようなのです。
今回は、マグロの「ねぎとろ」についてお伝えします。
「ねぎとろ」は建築用語から来ている!?
マグロの中落ちや、頭、カマ、サクとしては販売できない筋の多いところなどから、スプーン等の道具ですくって身を取ったものを「スキミ」と言います。
マグロの身を包丁で細かく刻み「たたいた」ものを「タタキ」とも呼びます。
まぐろを何らかの方法で細かくしてペースト状にして、軍艦巻きにして作っているお寿司は「ねぎとろ軍艦」と名付けられています。
そこには、ほぼ必ずと言っていいほど、刻んだネギが乗っていますよね。
あとは、ネギを混ぜ込む作り方もあります。
だから、「ねぎとろ」というと、必ず「ネギとマグロのスキミ」だと思ってしまいます。
しかし、それはもともとは違っていました。
昔、マグロの中落ちは捨ててしまうものでした。
江戸時代は、大トロさえも脂っこい、くどい、ということで捨ててしまっていたそうです。
しかし、現代ではこの中落ちに残った身も、スプーンなどですくって、「スキミ」として好んで食べます。
マグロ解体ショーでは、じゃんけんで競ってから、勝った人が買えたりします。
身を骨のまわりから削り取ることを、昔は「ねぎ取る」と行ったそうです。
この「ねぎ取る」はもともと建築用語なんだそうです。
地面の下の土を掘ることを「根切り」と言いました。
それが、寿司業界にも広まり、中落ちから身をこそげ取ることを「ねぎ取る」と呼ぶようになり、
ねぎ取ったマグロ、ということで、その結果できたメニューを「ねぎとろ」と呼ぶようになったそうです。
ここでの「トロ」はまぐろのトロではありません。
「取る」が転じて「トロ」となったのですね(多少マグロのトロを意識しているとは思いますが)。
これが「ねぎとろ」の語源とされる説です。
勘違いしやすい「ねぎま」のそもそもの意味はマグロとネギを煮た料理!
焼き鳥の「ねぎま」があります。
鶏肉と長ねぎが交互にささっている、おいしい焼き鳥屋メニューですよね。
「ねぎま」を「新明解国語辞典」アプリで調べますと、「葱ま」と書いています。
「『ま』はマグロの略で、ネギの上にマグロの切り身をのせて、煮ながら食べる鍋料理。 」という説明しかありませんでした。
「ねぎま」は鍋料理のことなのです。
なので、巷で「ねぎま」と呼ばれている、
焼き鳥のほうのメニューは辞書には載っていませんでした。
マグロの料理「ねぎとろ」はネギとは関係ない!
私のようにマグロのスキミやタタキに、ネギはいらないな…と内心思っていた人には、ちょっとばかし朗報でした。
中落ちからかきだしたマグロの身は、それ単独で「ねぎとろ」と呼んでしまっていいようです。
私もこれからは、マグロ単独で「ねぎとろ」を楽しもうと思います。
ネギを載せたり、混ぜたりしなくても「ねぎとろ」と呼んでいいみたいですよ。
ちなみに、トロとたくあんの巻物「トロタク」や「トロ鉄火」の「トロ」は、マグロのトロだそうですよ。
さいごに
今回は、日頃ちょっとだけ気になっていた「ねぎとろ」という言葉について調べてみました。
「ねぎとろ」のねぎは、野菜のネギとは無関係でした。
ネギと一緒に食べるのが好きな方もいると思いますので、そこはお好みで自由に好きなように食べていいですよね(^^)/。
いつもちょっとだけ疑問に思っていたことが晴れたのでよかったです。
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