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【貝類】黒バイ貝の旬はいつ?主な産地は?おいしい食べ方は?(バイ/ばい貝/あずき貝)
今回は「黒バイ貝」(バイ/ばい貝/あずき貝)についてお伝えします。
私個人は、「白バイ貝」のほうに縁があって、よく見かけていましたが、黒バイ貝にはなかなか出会えませんでした。
「バイ」といえばこの貝を指すくらい、基本的なバイ貝だそうですよ。
黒バイ貝はどんな貝?標準和名や主な産地は?
「黒バイ貝」と表示されて売られていましたので、「黒バイ貝」と書きましたが、
この貝は「バイ科/バイ属」の貝で、標準和名は「バイ」です。
シンプルですね。
「バイ」という言葉は、「貝(かい)」の発音が変化したもので、意味は「貝」です。
なので「バイ貝」というと本当は「貝貝」と言っていることになります。
しかし、一般的に貝は「かい」と発音しますから、多くの人にわかりやすいように「バイ貝」と呼ばれているのだと思います。
この”バイ”の仲間は多く、それらの総称も兼ねているそうです。
貝の斑紋がなかなか美しい貝です。どれも個体によって違っていて、しばらく眺めてしまうくらいです。
大きさは、平均6~7センチほどです。
今回のこの貝は、「黒バイ貝」とか「あずき貝」とか呼ばれて売られています。
各地でかなり呼び方が違うようです。
日本国内では、本州、四国、九州などの沿岸で獲れます。
特に、日本海側の沿岸で多く獲れています。
中国、韓国、東南アジアからの輸入も多い貝です。
主に海底の死んだ魚などを食べているので「海の掃除屋」的な存在だそうです。
黒バイ貝(バイ)の旬はいつ?
黒バイ貝(バイ)の旬は、春から夏です。
3月頃から出回りはじめ、夏まで多く見かけます。
ただし、この黒バイ貝は、現在は高級な部類に入るそうで、どちらかというと料理屋などに優先的に行ってしまいます。
一般的な小売店で見つけられたらラッキーかもしれません。
たくさん獲れる地域に行けば、普通に売っているのかもしれませんね。
黒バイ貝(バイ)の「あぶら」唾液腺について!
バイ貝などの巻き貝を食べる際は、「あぶら」(唾液腺)が気になるかもしれません。
この「あぶら」には、「テトラミン」という毒素があり、カンタンに言うと「酔っ払った」ような感じになり、具合が悪くなる、というものです。
注意喚起されている部位になります。
15分ほど茹でた、黒バイ貝の中身です。
(※15分ほど茹でてしまうと固くなってしまいました(^_^;))
黒っぽい部分と、下の白っぽい部分を切った様子です。
ワタは途中で切れてしまいました。
縦に切ってみました。
左側のグレーの半月状のものは「水管」であり、唾液腺とは関係ありません。
大きなつぶ貝で見るような、「あぶら」と呼ばれる白いクリーム色に近い塊は見つけられませんでした。
小指の先よりも小さいのが存在しているのでは…とも思いましたが、
黒バイ貝は、エゾボラ属ではないので、唾液腺に「テトラミン」は含まれていないそうです。
なので、ワタごと、身をまるまる食べても大丈夫です。
もともとが、6~7センチほどの小さい貝です。
プロの料理人には、これでも唾液腺はちゃんと取る、という方がいましたが、家庭で6~7センチほどの個体を数個食べるぶんには、心配いらないのではないでしょうか。
この黒バイ貝は、貝のワタが基本苦手な私でもかなりおいしいと思いました。
ゲーム感覚で、つるん、と最後まで取るのを楽しんでみてはいかがでしょうか(^^)/。
(※つぶ貝などの「あぶら(唾液腺)」については、札幌市のページ「テトラミン(ツブ貝)による食中毒」を参照しました。)
黒バイ貝(バイ)はじっくり煮て(茹でて)食べるのが安心でおすすめ!!
黒バイ貝は、筋肉質の貝です。
「さっと茹でる」か「じっくり茹でる(煮る)」かどちらかにしないと、「この貝は固くて食えない」みたいな、ネガティブな印象が残ってしまいます。
それは、赤身の牛肉や豚のモモ肉と同じような感覚です。
「さっと茹でる」とは、たっぷりのお湯に塩を入れ、黒バイ貝を入れて、再沸騰したら火を止める、くらいの短時間です。
これで食べてもOKらしいのですが、なんだか生々しそうで、私は実際に食べたら苦手だろうし、いきなりこれはハイレベルな技かも(^_^;)、となんとなく思いました。
なので、「じっくり茹でる(煮る)」方法を、今回は選択しました。
これなら、他の家族も安心して食べられる、というのもあります。
黒バイ貝は、流水で、お互いをこすり合わせながらよく洗います。
鍋に水と黒バイ貝を入れ、火にかけ、ふっとうしたら湯を切り、さっとすすぎます。
ふたたび、洗った黒バイ貝を鍋に入れ、酒と水と昆布を入れ、火にかけます。
(スライスした大根を入れる場合もあります。)
沸騰したら、弱火にして、時々アクを取り除きながら40分から60分くらい、じっくり煮ます。
はじめから醤油は入れません。身が固くなるそうです。
あと、私個人の経験としては、同様にみりんも砂糖も最初から入れてしまうと、煮詰まるのが早くなり、貝が柔らかくなる過程を妨げているような気がします。
1時間くらい経ったら、醤油やみりん、砂糖などをお好みの量で入れ、さらに10分ほど煮含めます。
煮詰まらないうちに、火を止めてできあがりです。
できたてホヤホヤを食べるのもおいしいですが、私は容器に移し、冷蔵庫で一晩置きました。
見えているところに楊枝などを刺し、できるだけワタも出せるようにくるりんと出してみます。
ワタの、先っちょまで出れば大成功です。
これはなかなか難しいです(^^)。
巻き貝のワタ、貝のワタは私はあまり好きではありません。
しかし、この黒バイ貝のワタは、煮たものですと、おいしいピータンを食べているようで、濃厚で濃縮された感があり、とてもおいしいと思いました。
もちろん、ピータンそのものではありませんので、ピータンが苦手だから黒バイのワタは食べないとは思わないでくださいね。
ぜひ1度食べてみてください。
身そのものはどうしても黒っぽいですが、味はすごく良いです。
先程も述べたように、ワタもおいしいので、私はフタ以外は、まるごとパクっと食べてしまいます。
(調理している間にフタは取れてしまいますが。)
15分ほど煮たくらいでは、固くて固くてそちらばかり気が行って、おいしさを感じられませんでした。
しかし、合計1時間10分ほど煮た黒バイ貝は、固さの原因(ゼラチン質)もほぐれ、ちょうどよい、心地よい歯ごたえで、うま味も味わうことができました。
高級食材になってしまうのもわかるような気がします。
(乱獲的なことがあり、激減して高級食材になってしまっているようですが、資源を守っている地域もあり、また復活してくれるといいなと思います。)
この食べやすくなり美味しくなる過程は何かに似ている…と思ったら、牛すじでした。
牛すじ煮込みみたいな、できあがった時のおいしさと喜びがあります。
ガス代がかかる調理法なので、なかなか挑戦する気が起こらなくなる調理法ですが(^_^;)、圧力鍋があるとまた違ってくるのかもしれませんね。
時間をかけることで、柔らかくなる素材です。
そこから味付けをしていくとうまくいきますよ!
他には、時間をかけて茹でた黒バイ貝を使って、アヒージョもおいしいそうです。
洋風でもバッチリの黒バイ貝です。
さいごに
今回は「黒バイ貝(バイ/あずき貝/バイ貝)」についてお伝えしました。
さっと茹でる、より少しでも加熱が長くなってしまうと固くなる貝ですが、ゆっくり煮ることで、歯ごたえもよくなり、おいしくなる貝です。
時間のある時にじっくり煮てみるのをおすすめします。
ぜひ食べてみてください(^^)/。
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