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【素朴な疑問】桜餅の出回る時期はいつ?桜餅にはどんな種類がある?(長命寺・道明寺)
(2022年5月5日・6日更新)
今回は「桜餅」についてお伝えします。
日本人は昔から桜が好きです。
その桜がいつ咲くのか、2月の下旬からそわそわしだします。
その2月下旬から3月~4月にかけてお店に出回る和菓子に、桜餅があります。
なんと、桜餅には2種類あるのだとか。
今回は、桜餅はどのようなお菓子なのか、また2種類あるという桜餅の由来と違いなどをご紹介します。
桜餅ってどんなお菓子?
桜餅は、桜の葉の塩漬けを巻いている、本体は桜色をした和菓子です。
中に餡があります。
2月下旬から桃の節句を経て、桜が終わる4月ごろまで売られています。
桜餅には2種類あります。
関東と関西で作り方が違います。
2種類存在する桜餅のそれぞれの特徴と由来!!
●関東(江戸)
「長命寺(ちょうめいじ)桜餅」
と呼ばれます。
長命寺というお寺は、現在も墨田区向島にあります。
江戸時代中期(1717年)には、すでに向島は桜の名所でした。
でも、「名所あるある」ですが、そこで働く人にとって、桜の葉の始末には苦労したようです。
この桜の葉がなんとかならないか…と考えた、長命寺の門番だったという、山本新六さんという方。
この方が、桜の葉を塩漬けにして菓子に巻くことを思いつきました。
これを「桜餅」として長命寺門前にて売り始めたところ、大ヒットとなり、現在に至るそうです。
焚火のタネか肥料にでもするしかなかった葉っぱを、名物かつ現代にも続く伝統的和菓子にしてしまうとは…。
すごい話ですよね。
長命寺桜餅の特徴は、小麦粉で作った、桜色に着色した薄皮です。
この薄皮であんを巻いたものに、桜の葉を巻き付けたものになります。
薄皮は、白玉粉や餅粉の場合もあります。
葉は、食べても食べなくてもOKです。
無理しなくていいです(^^)/。
私が食べた長命寺の葉っぱは、非常に薄くてよく漬かっていて、食べやすかったので、一緒に食べてしまいました。
皮も上品で、皮自体の味や食感は控えめです。
桜の葉の香り・風味、食感とともに、餡が口の中でミックスするのが印象的でした。
なので嫌でなければ、桜の葉も一緒に食べてしまうのがおすすめです。
●関西(上方)←かみがた
「道明寺(どうみょうじ)桜餅」
と呼ばれる桜餅です。
大阪に、道明寺というお寺があります。
江戸の長命寺の桜餅の大ヒットにあやかり、約100年後の天保年間(1830〜1844年)に現れ始めたとのことです。
タイムラグが約100年、というところが時代ですね。
今なら、もう次の日には作られていることでしょう(^_^;)。
なぜ、「道明寺」と呼ぶようになったのでしょうか。
それは、材料にあります。
道明寺で作る、もち米を材料にした粉が非常に評判だったそうです。
その粉を利用して、大阪では桜餅を作りました。
道明寺粉を蒸して餅を作り、その中に餡を入れ、桜の葉で巻きます。
そのため、形はちいさなおはぎのような、丸っこい形になります。
ちなみに、上の写真の桜餅は、もち米をそのまま使用したおはぎのような形式になっています。
こちらも、桜の葉と食感を感じつつ、もちと餡をいっぺんに食べてしまうのがおすすめです。
葉が無理なら、はずしてしまっていいと思います。
桜の独特の葉の香りはしっかり移っていますから楽しめますよ(^^)/。
ほかの地域の桜餅は?
現在は2種を同時に販売しているお店もあり、どちらも同時に楽しめる場合も多いです。
ところで、関西でもなく、関東でもない、他の地域の桜餅って、どうなのでしょうか。
北海道・東北・中部地方は、道明寺だそうです。
「名古屋以西」との説もありました(ウィキペディアを参照)。
江戸の桜餅は、クレープみたいで、しゅっとしている印象で、いかにも江戸前です。
上方(かみがた)の桜餅は、丸っこくて、愛嬌あって、かわいらしさがあります。
アンパンマンの桜餅キャラ「さくらもちねえさん」!
桜餅は見た目のはなやかさ、かわいらしさがあるからか、アンパンマンのキャラにもなっています。
「さくらもちねえさん」というそうです。
画像はググるとすぐ出てきます。
「アンパンマンDB」というアンパンマンのデータベースのサイトにさくらもちねえさんの項がありました(^^)/。
かしわもちまんの姉貴分だそうです。
粋でいなせな感じなのでしょうか。しゃべってるのをみたことないので、江戸か上方なのか、わかりません。
形からすると、上方の道明寺っぽいですが…。
さいごに
今回は、2月下旬から4月ごろまで楽しめる、桜餅についてお伝えしました。
桜餅には江戸の長命寺、上方(関西)の道明寺、この2種類があります。
「産業廃棄物」「迷惑もの」でしかなかった、桜の葉。
これを美しい伝統和菓子の材料にまでしてしまった、江戸の考案者のひらめきに感動します。
作ってくれてありがとう!と思います。
そして、それを参考にし桜餅を西日本に広めた、上方の発案者にも感服しますm(_ _)m。
あるひらめきが、多くの人を喜ばせる和菓子になったケースですね。
桜餅のもつエピソードは、とても面白いです。
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