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おいしい伊達巻!おすすめの伊達巻をご紹介!
伊達巻(だてまき)。
お正月にはかかせない一品です。
ふだんでも食べる人も多いと思います。
しかし、おいしいものになかなか出会えないのも実情ではないでしょうか。
素材や製法にこだわり、おいしい伊達巻を作り続けているメーカーがあります。
静岡の「こめや食品」です。
今回は、伊達巻の製造方法と、「こめや食品」の「伊達巻」についてご紹介します。
伊達巻はすり身を使った「卵料理」である!
「伊達巻」
とは、「卵料理」なのです。
私は知りませんでした。
(写真は「こめや食品」HPより)
確かに、卵ベースの甘くてふわふわしている食べ物ですね。
かまぼこの会社が良く作っているものです。
なので、ジャンルは「かまぼこ」などの、「魚肉練り製品」かな、と思っていました。
起源をさかのぼると、長崎に渡来したポルトガルのロールケーキであるとか。
伊達巻というのは非常に繊細です。
食べるとふわふわしていますね。
なんで、ふわふわなのでしょうか?
それは、魚のすり身と卵とだし汁をよーーく擂り合わせてから焼き上げ、巻いて仕上げるためです。
作業工程を1行で書いてしまいましたが、その「擂る(する)」段階は、3回ほどになります。
材料と製法と「使わないもの」にこだわりぬいて出来上がる!「こめや食品」の究極の伊達巻!
伊達巻には、魚やエビのすり身を使います。
ここで、一般のすり身には「重合リン酸塩」を使用します。
「重合リン酸塩」は、すり身の冷凍による変性防止などに使われます。
これは食品中のカルシウムやマグネシウムなどのミネラルと結びつき、体外へ出されると言われています。
ということは、せっかくカルシウムやマグネシウムを他の食品からとっても、この添加物と結びついて、体に残らない、ということになります。
これは成長期の子供にとって、ミネラル不足への懸念になります。
しかも、原料のすり身には、表示の義務がないのです!!
義務が無い=安心・安全。
とは言えないと思います。
こめや食品は、この表示義務すらない添加物も使わないで、伊達巻を作っているのです。
もちろん、化学調味料は不使用です。
さらに、ふっくらと仕上げるには、職人の熟練技が必要です。
その日の気温や湿度を考慮して、「擂り」工程内で微調整を行うのです。
これは、経験がなければできないことです。
「焼き」の工程も同様です。気温と湿度を見計らい、経験豊富な職人が微調整を繰り返し焼き上げます。
しかも焼き上げたあと、1本1本を「巻きす」で巻いて形成するのです。
これは、繊細な作業であり、女性に向いている仕事、とのことです。
経験豊富な女性が、1本1本丁寧に巻き上げます。
(写真引用元:「こめや食品」HP)
そして、まだこれでは終わりません!
1回、冷凍させます!!
(※巻きあがった伊達巻を冷却し、包装して、凍らせるそうです)。
これが、非常に大切であり、マストな工程だそうです。
こめや食品の伊達巻は、必ず凍らせるそうです。
そして、凍ったまま出荷になります。
これだけの手間ひまをかけて、伊達巻がつくられているのです。
厳しい現実!現代のお正月食品事情!
年末の伊達巻やかまぼこの需要というのは、なかなか読めないものです。
なので、メーカーは夏からおせちなどの正月用食品を作り始めるそうです。
約数か月から半年前に作り始めるのです。
そして、見栄え、彩りの良さが求められます。
●夏ごろから準備。
●彩り、見栄え、形の良さ、が求められる。
●どれだけ需要あるかわからないから大量生産(これが「フードロス」になっていく…)。
したがって、添加物、着色料を使用した食品にならざるを得なくなります。
しかも、数か月や半年前に作った食品が売られるのです。
なんとなく、おせちをおいしく感じないという人が多いのはこのことが原因のひとつかもしれません。
この「こめや食品」の伊達巻は、生協ならではの、組合員の注文数量を確定させてから発注するシステムです。
これを「予約共同購入」と言います。
「これだけ買いますから、(添加物を使わないで)作ってください」という依頼をして作ってもらうのです。
だから、メーカーも、手間暇をかけて、添加物や着色料を使わないで作ることができるのです。
食べる側も責任を持つ。
ことを消費者側が引き受けることで、実現できた食品と言えます。
原材料の卵にももちろんこだわっています。
・材料にこだわる。
・製造にこだわる。
・「使わないもの」にもこだわる。
・そして、買う側も責任を持つ。
上記のことは、「フードロス」や食の安全が言われている現在、参考になる事例なのではないかと思います。
さいごに
今回は、「こめや食品」の、伊達巻をご紹介しました。
伊達巻も、ものすごく奥が深い食品ですね。
おいしいものを食べるには、いくつか面倒だな、と思うことはあります。
この伊達巻の入手も、生協に加入しないと買えない、というハードルがあります。
しかし、「ほんとうにおいしいものを求める」、ということは、こうやって地道に、善意をもって、真面目に作ってくださる方々を応援していくことにもなります。
こうやって、ひとつひとつの食品のバックグラウンドを調べてみるのも、面白いです。
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