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7月や8月になぜナスときゅうりを玄関や門に置いている家があるのか?
お盆の時期は、東京だと2019年は7月13日から16日、「旧盆」の地域は2019年は8月13日から16日です。
この時期に、玄関先や門のところに、きゅうりとナスに割りばしを刺したものを置いているお宅を見たことがありませんか?
あれは一体なんなのだろう?と思いませんか?
今回は、お盆の時期に飾るナスやきゅうりについてお伝えします。
きゅうりやナスの飾りはお盆の行事の飾りのひとつ!
きゅうりやナスに割りばしを刺した飾りは、お盆の時期にお供えするものの一種です。
きゅうりに割りばしを刺したものは「馬」に見立てられ「精霊馬(しょうりょううま)」といいます。
ナスに割りばしを刺したものは「牛」に見立てられ「精霊牛(しょうりょううし)」という名前です。
ご先祖さまが仏壇のある家に早く帰ってこれるようにと作られるのが、きゅうりで作る「精霊馬」です。馬は足が速いからです。
お盆が終わって、ゆっくりとまた「あの世」に戻ってもらいたいためにつくるのが、ゆっくりと歩く牛に見立てた、ナスの「精霊牛」です。
きゅうりとナス、はご先祖の魂の「乗り物」なんですね。
ただ、宗派や地域の慣習によって、それぞれの意味や置き方、置く場所などが若干違ってきます。
家に帰ってきてもらうのにナスの「牛」を先に飾り、あの世に帰ってもらうのにきゅうりの「馬」を飾る宗派や地域もあります。
これは、使い方が真逆になってますよね。
きゅうりとナスのお飾りを仏壇の前にかざるお宅もあれば、お墓に飾るお家もあり、はたまた門前に置いている家もある、という違いもあります。
なので、お盆の行事を行う際には、宗派や家のしきたり、地域の慣習の確認が必要になってくるわけです。
いっぽう、あまりお盆に縁のない人(行事をやらない人)も増えていますよね。
特に、若い人などは、夏のあつい時期になぜ家の前にキュウリやナスに割りばしを刺しておいているのだろう?と不思議に思う人も多いと思います。
その理由は上に述べた通りです。
できるだけわかりやすいように、ざっくりとした説明になりました。
なぜお盆の飾りがナスやきゅうりなのか?お盆行事が終わった後のナスやキュウリはどうするの?
これは、ナスやきゅうりがこのお盆の時期に入手しやすいからだと言われています。
また、精霊馬や精霊牛に使ったナスやきゅうりは食べてはいけないことになっています。
(そうすると、あまり豪華な食材だと、正直捨てられないですよね(;^ω^)。)
精霊馬や精霊牛に使ったナスやきゅうりは、昔は「送り火」(ご先祖さまをあの世に送り返すときに焚く火)と一緒に燃やしたり、川や海に流したそうです。
お寺にお願いする場合もあります。
お庭に埋められる場合は埋めたりもします。
現代はゴミ問題、環境問題のことがありますので、塩でいったん「お清め」して、白い紙に包んで、自治体の決まりに従って処分する方法がとられていることが多いです。
さいごに
今回は、7月の中旬や8月の半ばに、住宅街で見かけるナスやきゅうりのお飾りについて、ざっくりですが解説させていただきました。
実は、私はお盆の行事はかなり小さい時に経験したきりで、ナスやきゅうりを飾る行事は大人になってから知りました。
夏に住宅街の各ご家庭の門前に、いきなりきゅうりやナスに割りばしが刺されておいてあると、普通に「何だろうこれは?」と思ったものでした。
↑このようなキャンドルまで作られ、通販で販売されています。
今はネットの時代なので、検索すれば、お盆の「マニュアル」的なことも、かなりわかりやすくガイダンスされていて、本当に便利な時代なんだな、と感心しました。
最近は様々な行事が簡素化される傾向ですが、このような行事そのものがなくなるわけではないと思います。
今後、ナスときゅうりの置物を街でみかけたら、「ああ、お盆なんだな」と思っていただければと思います(^^)。
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