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月餅(げっぺい)って何?どんなお菓子?どんな時に食べるもの?
(2020年9月30日更新)
月餅(げっぺい)。
月の餅と書きます。
中のあんはしっかりした食感で固め。
かなり食べ応えのあるお菓子です。
まんじゅうの詰め合わせセットの中に、他のまんじゅうと一緒に入っていることがあります。
しかし、名前といい、見た目といい、なんか、和菓子にしては異彩を放っていますよね?
そもそも、「和」菓子なんでしょうか?
今回は、よく見かけるけど、由来がよくわからない、「月餅」について、調べてみました。
「月餅」は、中国から来ました!
月餅は、実は中国が起源のお菓子です。
(山崎パン「月餅・商品情報」よりお借りしました)
外観は、上の写真のようなものです。
ヤマザキパンのものは、わかりやすく「月餅」という文字が見えますが、他のメーカーですと、いろいろな文様だったりします。
ウィキペディア、「月餅」の項の写真。これは中国らしい感じがします。
もともとは日本の和菓子ではないことは、見た目からなんとなくわかりますよね。
日本に紹介されたのは、1920年代、中村屋によってです。
月餅は、中秋の名月の時期、すなわち十五夜を鑑賞する時にお供えされたお菓子でした。
旧暦では8月15日が「中秋節」と呼ばれ、中国ではお祝いする時期であり、ホリデーです。
日本の一般のカレンダーでは、それは9月から10月にあたります。
9月に「中秋の名月」という、十五夜という満月(厳密には満月ではないらしい)をめでる風習があります。
(※ちなみに、2020年は10月1日でした。)
その時にお供えするのです。
日本では、ススキや、月見団子をお供えしますよね。
この時期のお祝い事になります。
そもそも、この時期の美しい月をお祝いし、観賞する風習は、中国から平安時代に日本に伝わり、貴族間のイベントになっていたそうですよ。
本場中国の「月餅」と日本の月餅は違ってる!
中国では現在、旧暦8月15日の中秋節の1か月前から、日本のバレンタインさながらの盛り上がりで、知人や友人に月餅を送りあうそうです。
なので、当日になると、人々はもう飽きて、お店では安売りが始まってしまってるらしいです。
中身も、アヒルの卵を加工したものを入れたり、と、日本で年中手に入る月餅とは違っています。
これには、月餅を日本で広めた人の工夫があります。
大正の終わりごろ、中村屋の創業者夫妻は、当時の不振を打開するため、中国にわたりました。
そこで食べられていた「月餅」に目を付け、帰国後作りはじめました。
中国で食べた通りのものを作っても、日本人の口に合わず、うけない。
そこで、創業者は、日本人の口に合うように、材料や製法を変えました。
油っこさを除き、見た目を美しくし、皮の口当たりをよくする。
この3点を中心に、変更していきました。
そうして、昭和2年に、販売にまでこぎつけました。
以上、中村屋のサイトを参考にさせていただきましたが、その中村屋によると、創業者の工夫と努力により、このお菓子を「和菓子としての月餅」にまで仕立て上げた、とのことです。
中国での、中秋の名月を祝う風習の「月餅」を日本に輸入して、日本人に食べやすく改良して、日本独自の「和菓子」として作り上げた、ということになります。
そうしますと、日本で売られている月餅というものは、中村屋が変更点を加えて出来上がった、「日本版月餅」ということになります。
1927年のことですから、もう90年以上の歴史があります。
日本の月餅は、中村屋が作り上げた、日本の焼き「和菓子」といえます。
(※↑↑写真は埼玉県の「紅葉堂」の月餅です)
なので、他のメーカーでも、月餅は、他の和のまんじゅうなどといっしょにセット販売されていたりするのですね。
これで納得がいきました。
本場中国や、香港でも、月餅というものは時代とともに変遷しており、例えば「アイス月餅」なるものがあるそうですよ。
さいごに
今回は、「月餅」についてお伝えしました。
中国では、中秋節には月餅を食べすぎて血糖値が上がらないように注意を促すほどだそうです。
なんか、日本の「モチの食べすぎに注意!」みたいですね。
中村屋やヤマザキの月餅を見慣れていると、中華街で見る月餅は非常にボリュームを感じます。
様々なナッツ系のものが入っていて、味が複雑だったりします。
中秋の名月の満月に、家族円満を願って、まあるいお菓子をみんなで食べる。
なんか、ほほえましくて、すごく縁起が良さそうで、いい風習だなと思います。
日本で年中みられるようになったのは、中村屋が好評につき、8月限定販売だったのを、年中売るように「解禁」したからだそうです。
ごまあんの濃厚なものですので、他のお菓子に比べて満足度が高いです。
由来や歴史を知って食べると、また面白さが増しますね。
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