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「あんぽ柿」ってどんな柿?王隠堂のあんぽ柿がおいしくておすすめ!

目次

「あんぽ柿」ってどんな柿?王隠堂のあんぽ柿がおいしくておすすめ!

「あんぽ柿」という柿が、スーパーの果物コーナーで売られているのを見たことがありませんか?

「あんぽ」とひらがなで書いてあって、なんだかかわいい感じもしますが、いったい、何のことなんだろうと、不思議にも思います。

今回は「あんぽ柿」とはどういうものか、についてと、奈良県の王隠堂が作っている「あんぽ柿」についてお伝えします。

「あんぽ柿」の「あんぽ」の意味は?あんぽ柿発祥の地は?

あんぽ柿の「あんぽ」という言葉が気になります。

いったい、どういう意味なんでしょうか。

 

「富有柿」とか「次郎柿」とか、品種や種類の名前ではありません。

柿の加工の仕方の名前なんですね。

 

あんぽ柿は、渋柿を硫黄で燻製したものです。

スモークされた、ドライフルーツなんですね!

それも、「硫黄」を使ってるんですね。

食べてみても、硫黄臭さはないので、これを知った時は驚きました。

 

Ampo03

写真引用元:Wikipedia「あんぽ柿」の項より

 

硫黄で燻製する干し柿の手法は、大正時代(1912年~1926年)に、福島県伊達市で開発されました。

「あんぽ柿」、という名前はそのものは、江戸時代にこの地で作られていた干し柿を「あまぼし(天干し)柿」と呼んでいたのが、「あんぽ柿」に変化していったのではないかと言われています。

この地で普通の干し柿のことを「あんぽ柿」と言っていたのが、この硫黄を使ったスモークでできる干し柿についての名前になっていったようです。

「あんぽ柿」の開発のきっかけ!どうやって全国に広まったの?

大正時代の中頃、現在の伊達市の地域の人が、アメリカのカリフォルニアに行って、干しブドウの手法を見てきました。

それが、渋柿を、硫黄を使って燻製する方法でした。

これを、自分たちの土地の名産である柿に応用できないか、と工夫し始めた、というのが始まりです。

はじめからうまくいったわけではなく、試行錯誤の末にできあがった手法でした。

 

普通の干し柿は乾燥して黒く固くなってしまいます。

(伊達市の五十沢(いさざわ)地域では、この普通に干して黒くなる干し柿を「黒あんぽ」と呼びます。)

しかし、硫黄を使って燻製すると、中は柔らかくジューシーなままできあがり、保存もうまくいけば半年以上はもつようになります。

 

写真引用元:「だてめがね」より

 

当時、黒くなって固くなってしまう干し柿を食べていた人たちにとって、いつまでも柔らかくジューシーでいてくれる「あんぽ柿」の登場は、衝撃だったと思います。

またたく間に、福島県の名産になりました。

あんぽ柿は冬の時期に生産・出荷(11月~2月)します。

なので、当時の伊達地域は冬の「農閑期」というものがなく、男性が都会へ出稼ぎにでる必要も少なかったそうです。(これはすごいことですね!)

 

昭和40年代に、五十沢地区が全国の農業団体の視察を受け入れたことで製法は全国に伝わりました。

現在は全国各地の山間部で作られています。

使われている柿は渋柿(蜂屋柿や平核無柿など)です。

(ここでやっと、私が買った「あんぽ柿」がなぜ奈良県産なのかがわかりました!(^^)!)

 

奈良県王隠堂の「あんぽ柿」がおいしい!硫黄燻蒸をしていなかった!

私が生まれてはじめて食べた「あんぽ柿」は奈良の王隠堂のものです。

 

 

「生活クラブ生協」で買いました。

4個入っています。

使われている柿は平核無柿(ひらたねなしかき)です。

★関連:【柿】平核無柿(ひらたねなしがき)は食べやすくておいしい柿!旬はいつ?

 

「あんぽ柿」については、その言葉の由来や製法について調べ、学んだのですが、なんと、この王隠堂のあんぽ柿は硫黄燻蒸をしていないそうです!!

 

王隠堂のサイトによると、硫黄燻蒸というのは、干し柿の出来上がりの色をきれいにするためであり、王隠堂のあんぽ柿は、自然の色を大切にしているのでやっていない、とのことです。

漂白もしていないそうです。

普通の干し柿も、王隠堂では作られているので、このあんぽ柿は、普通の干し柿と製法が違うのだと思いますが、そこは詳しくはわかりませんでした。

 

(↑普通の干し柿。写真引用元:王隠堂

 

生活クラブのサイトによると、このあんぽ柿は、「無燻蒸製法」と一言書いてありました。

こうなると、硫黄燻蒸してある干し柿を「あんぽ柿」と、Wikipediaでは定義してありますが、王隠堂のそれは、あんぽ柿という商品名でも、硫黄燻蒸してないので、果たして、これはどうなんだろう(@_@)??と頭がこんがらがります。

 

丸っこくて、普通の干し柿より柔らかくて、ぽわっとしている見た目と食感のあんぽ柿と、ほぼ同じだから、「あんぽ柿」と名づけているのでしょうか。

作り方は「あんぽ柿」と一緒で、硫黄燻蒸だけはしてない、というものなのかもしれません。

あくまでも、ド素人の、いち消費者の憶測でしかないのですが、中がやわらかいドライフルーツにした柿であり、干し柿とはちがうもの、という感覚での、「あんぽ柿」なんでしょうね(;^ω^)。

 

 

色は、すごく鮮やか、というわけではありません。

自然な色を大切にしている、というだけあります。

でも、それはそれで、きれいだと思います。

自然な色を見るのは、なんだかホッとします。

 

中身はねっとりとして、甘いです。

とはいえ、原材料は「たねなし柿」のみの記載で、他に材料を使って無い(つまり、ほんとに「干しただけ」)ので、砂糖も使ってないから、柿そのものから出る甘味、うまみ、風味のみの味です。

だからか、すごくやさしい味がします。

甘すぎません。人によっては物足りないかな?と思うくらいです。

もしかしたら、作る年によって、味も違うのかもしれません。

試しに、来年も再来年も食べてみようかな、と思います。

 

さいごに

今回は、「あんぽ柿」の由来や作り方奈良県王隠堂の「あんぽ柿」について、お伝えしました。

カリフォルニアレーズンを視察した福島県の人から始まった、あんぽ柿の由来と製造法、そして、その硫黄燻蒸をしないで作っている、現代の奈良の王隠堂のあんぽ柿…。調べていて、とても勉強になりましたし、面白かったです。

奈良の王隠堂のあんぽ柿は、とにかくやさしい味がします。2019年の12月に食べたものは、甘さひかえめでした。

 

大好きな人は、毎年、11月から12月ごろにあらわれる「あんぽ柿」を楽しみにしている人も多いです。

贈答品としてはすごくいいし、使いやすいと思います。

スーパーでもよく売っていますので、まだ食べたことのない方は食べてみてください!

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