目次
「セミノール」はかんきつの名前です!どうやってできたのか?独特な名前の由来は?
セミノール。
これだけ聞いて、ああ、あれね、とわかる人は、かんきつファンか、詳しい方ですね。
薬の名前っぽい、という印象を持つ方もいると思います。
セミノールは、4月も下旬になると出回ってくるかんきつです。
正月を過ぎ、ミカンが終わるころに始まり、3月4月でピークを迎える、「各種かんきつ類」ラッシュの、トリのほうにあらわれるかんきつです。
どんなかんきつなのでしょうか?
セミノールはなぜ「セミノール」と名付けられたの?
セミノールは、「ダンカングレープフルーツ」と「ダンシイタンゼリン」という、グレープフルーツの原種とオレンジの一種のかけあわせで生まれました。
生まれはアメリカのフロリダ州の農産試験場です。
フロリダ生まれのかんきつは、すべて、フロリダ州の湖の名前がつけられています。
(他に、「ミネオラ」があります。)
なので、このかんきつは、フロリダ州にある「セミノール湖」からつけられました。
(厳密に言うと、日本で栽培されているのはフロリダから来た種の「枝変わり」のものとされています)
日本にある晩柑系のかんきつは、文旦をはじめ、清見、せとか、はるか、甘夏、日向夏…など、日本的な印象の名前が多いです。(文旦は中国の方のお名前からですが(;^_^Aでも、漢字をあててるから、もう日本風で定着してますよね)。
そこへ、春も終わりになって、いきなり「セミノール」というバリバリの横文字系の名前のかんきつが来ると、私などは、ちょっと面喰いました。
なので、私はこのかんきつは、ネーミングの点で、非常に気になりました。
ほんとうに、何も知らないと、薬の名前にしか見えませんでした。
出回る時期も花粉症の時期です。
普段薬とは無縁の生活の多くの人も、何かしら薬を使う時期ですので、より名前から「薬感」を感じます。
(ミステリー好きなら、「ルミノール反応」を連想するかもです。)
また、「美生柑」の項でもお伝えしたような、日本人に親しみやすそうなネーミングを考えて、商標をつくるわけでもない。
「デコポン(不知火)」「ポンカン」というネーミングも親しみやすさは抜群です。
ここが、私は非常に気になったポイントなのです。
フロリダ生まれの種だからでしょうか。フロムUSAだからでしょうか。
事情はよく分かりません。特に深い意味はないのかもしれません。アメリカから来た種だから、そのままアメリカの名前にしておいてるのかもしれません。
私にとっては、まず、このネーミングが強烈な印象でした。
セミノールはどんな見た目?
外観、色、はこんな感じです。
大きさは、温州みかんくらいです。
ブツブツは少なく、皮はなめらかで光沢があります。
けっこう固めですので、ナイフを使わないといけない印象です。
たしかに、フロリダから来た果物って感じですね。
かんきつのオレンジに共通するものを感じます。
実物は、写真よりも、もっと深みのあるオレンジ色です。
かんきつ売り場で、ひときわ異彩を放つほどの深いオレンジ具合です。
クラスの中でも目立つくらい、部活ですごく日焼けしちゃった子、という感じです。
それだけ、太陽を浴びた感があるのです。
セミノールのお味は?おすすめの食べ方は?
味の前に来る、香りがすごいです。
切った瞬間に、ぱあーっとひろがります。
写真のように、種が多いのが印象的です。
そして、かなりのみずみずしさを見た目から感じます。
食べてみますと、やっぱり、ジューシーさがすごいです。
ボトボトとこぼれてきますので、注意が必要です。
薄皮も食べられますが、食べていくうちに、ちょっとわずらわしくなってきます。
なので、私はやむをえず、薄皮は吐き出して、最後には絞って飲むような食べ方になりました。
種が多いのは、注意どころです。
ジューシーすぎて、ちょっと絞るだけでジュワーっと出てくるので、いっそのこと絞って飲んでしまってもいいでしょう。
これをジュースやゼリー、チューハイにして商品化するメーカーが現れないかな…という感じです。
味は、酸味が強いです。濃厚な味わい、コクがあるところは、オレンジ系の共通点ですね。
すごくおいしいですが、酸味も香りも強めでパンチの効いたかんきつだな、と思いました。
色はレモンでも、びっくりするくらい優しい味の「はるか」とは真逆です。
おすすめの切り方は、スマイルカットもいいのですが、グレープフルーツのように、横に切って、スプーンですくって食べる方が、食べやすいのかもしれません。
さいごに
今回は、名前も味もインパクトのある、フロリダ育ちの「セミノール」についてお伝えしました。
セミノールって、フロリダの湖からとられた名前なんですね。
こんなジューシーで濃厚で味わいの深いものを食べると、あれ、じゃあオレンジってどんなのだっけ?と思い出せなくなりました(笑)。
なんと、ひとつひとつ袋かけをして育てているそうですよ。大切に育てられています。
4月から5月、いよいよかんきつも甘夏、夏みかんくらいしか残らなくなり、6月になれば次の年の緑の極早生みかんが出てきます。
セミノールは、3月が収穫です。
少しおいて酸味を抜き、4月から5月が食べごろの時期です。
果物売り場はいつの間にか変わっています。すぐに次の果物が来てしまいます。
セミノールにも、出会ったらすぐに食べてみてください。
★関連記事:筆者が個人的に興味の沸いた、「かんきつ」類の記事群はこちらから。