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求肥(ぎゅうひ)とは何?何からできているの?何に使われている?
(2020年2月26日更新)
求肥(ぎゅうひ)。牛皮とも書きます。
食べ物の名前なのですが、わかりますか?
きっと食べたことがあるはずです。
「牛」という字を使っていますが、お肉ではなく、れっきとした和菓子の用語なのです。
今回は、和菓子の世界には欠かせない、そしてよく使われている「求肥」についてお伝えします。
求肥(ぎゅうひ)とは何?
求肥は、お餅に似た、もっちりとした食感の食品です。
これを使用した有名なお菓子は、「雪見だいふく」です。
雪見だいふくって、アイスだから冷凍庫にあるはずなのに、良く伸びますよね。
もち米をついたお餅では固くなってしまうので、もちで雪見だいふくを作るのは不可能なことなのです。
この商品は、求肥があったからこそ実現したアイスなのです。
(この商品が出た当時(1981年)は、今までこんなお菓子がなかったのでとてもびっくりしました)
求肥の作り方は以下の通りです。
もち粉を使用します(白玉粉の場合もある)。
もち粉に水や砂糖を足して火にかけて練ります。(いくつかの製法があります)。
大量の砂糖や水あめを使うので、餅がいつまでも固くならないのが特徴です。
その特性は、冷凍状態でも同じなため、「雪見だいふく」にも使われたのです。
「牛皮」という表記がある理由は?
牛皮の製法は、平安時代に中国から伝わりました。
当時は玄米を使ったので、色が黒っぽくなりました。
そこが牛の皮に似ていたので、「牛皮」と呼ばれました。
だから、「牛皮」の表記のほうが先なのですね。
でも、当時の日本は牛や馬を食べてはいけませんでした。
牛を食べることを連想させるため、帝が表記を変えることを命じたと言われています。
そこで「求肥」という表記になりました。
しかし、現在でも「牛皮」という表記でも通用します。
求肥を使ったお菓子にはどんなものがあるの?
多く食べられているのは、やっぱり「雪見だいふく」でしょう。
コンビニで見かける「雪苺娘(ゆきいちご)」(山崎パン)もそうですね。
ふつうの大福にも使われています。いちご大福などはそうです。
「すあま」もありますね。
他には、 みつまめ、白玉団子にも入っている、餅のようなものは、求肥です。
福井県の有名なお菓子「羽二重餅」は、求肥の作り方と同じだそうです。
さいごに
今回は、「求肥(ぎゅうひ)」とはどんなものなのか、どうやって作られているのか、どういうお菓子に使われているのか、などについてお伝えしました。
ぎゅうひ、という響きが、もう「牛」を連想させて、私などは、和菓子用語なのになんでだろう?といつも疑問に思っていました。
中国より渡来した平安時代は玄米を使っていて、牛の皮みたいだったから、というのは、調べないとわからないことでした。
平安時代からあるのなら、求肥は和菓子の中でもかなり歴史のあるお菓子ですね。
おもちだと、すぐに固くなりますが、求肥なら砂糖を加えることなどの理由で、いつまでももっちり感が保てます。
求肥じたいに甘みがありますし、柔らかさが保たれてるので、和菓子の世界では重宝され、非常に多くのお菓子に使われているようです。
なので、和菓子やお菓子を食べていて、もちっとするものがあれば、それはたいてい「求肥」かもしれません。
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