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イナダの旬はいつ?美味しい食べ方は?イナダは関西では「ハマチ」?
(2021年7月23日更新)
関東で買える「イナダ」は出世魚です。
最終形態は「ブリ」になります。
関西で買える「ハマチ」は出世魚です。
最終形態は「ブリ」になります。
(※「出世魚」とは、魚そのものは同じ種類なのですが、成長段階(大きさ)で呼び名が違う、というものです。)
関西出身の人が関東で「ハマチ」を探しても、お店にはありません。
同じ魚の「イナダ」なら買えます。
出世魚の「ブリ」は、幼魚から成魚までいくつかの名前があり、さらに地方によって呼び名も様々です。
なかなか名前に関しては面倒な魚です。
今回は、関東の「イナダ」について、名前のこと、旬や美味しい食べ方についてご紹介します。
関東では「イナダ」、関西では「ハマチ」!出世魚「ブリ」の呼び名の違い!
(↑体長40センチほどの「イナダ」。※お店では「イナダ」との表示でした。)
「ブリ」は出世魚であり、さらに地方によって、各段階の呼び名が違う、というちょっとややこしい魚です。
★関東での呼び方
関東では、体長40センチから60センチほどの大きさの「ブリ」を「イナダ」と呼びます。
それより小さいのは「ワカシ」(30センチ~40センチ)、大きいのは「ワラサ」(60センチから70センチ台)になります。80センチ以上になって、やっと「ブリ」です。
関東:ワカシ<イナダ<ワラサ<ブリ
です。(関東では「ワカシ」より小さい魚の呼び名が無い。)
★関西での呼び方
関西では、 体長40センチから60センチほどの大きさの「ブリ」を「ハマチ」と呼びます。
それより小さいのは「ツバス」(30センチ~40センチ)、大きいのは「メジロ」(60センチから70センチ台)になります。80センチ以上になって、やっと「ブリ」です。
関西:ツバス<ハマチ<メジロ<ブリ
です。(関西では「ツバス」より小さい魚の呼び名がある。「ワカナ」という。また、和歌山や京都では呼び名が違っている。)
他の地域でも北陸、三陸、四国、九州などで、さまざまな呼び方があります。(ここでは割愛します。)
ただし、日本全国で共通していることがあります。
それは、大きさが80センチ以上の、成長しきったものは、どこでも「ブリ」だということです。
(※ブリの養殖モノを「ハマチ」と呼ぶ場合あり。ほんとうにややこしい…(;^_^A)
なぜ「ブリ」が大きさによって名前が違うのか?「出世魚」の起源とは?
なぜ「ブリ」が成長段階でさまざまな呼び名で呼ばれるのかは、諸説あります。
・商売上、1種類の魚でも大きさによって用途や価値が違うので、商売をしやすくするため。
・昔(江戸時代まで)は武家や学者ならば、子ども時代から大人になり出世していく過程で、何度か名前が変わるため、縁起を担いだ。
こと「ブリ」に関しては、幼魚や若い魚ですと、味がさっぱりしており、脂がのっていません。
成長しきった、脂のりのりのブリとは全く違います。
かなり差があるので、商品価値が違ってきます。
値付けして、それぞれの価値を決め、販売するときに、価値の違いによる混乱を避ける事情があったのでしょうね。
客は脂ののったブリが欲しいのに、脂のあまりない「イナダ」段階のものを売られたら、トラブルになりそうですもんね。
私は、市場の事情による説が先なのではないかと、個人的に思います(^^)/。
それだけ、昔から「ブリ」は人々の生活に深く関わりあう魚なんですよね。
「イナダ」の旬はいつ?
イナダの旬は、夏から秋のはじめくらいまでと言われています。
特に秋に獲れることが多いです。
春から夏が旬だ、という説もあります。
通年とれる魚なのです。
イナダのおいしい食べ方は?
・刺身
イナダは刺身がおいしいです。
ブリの中でも若い魚なので、脂のノリはあまり期待できませんが、さっぱりとしておいしいです。
色が変わりやすいです。
入荷したその日にさばいた刺身用サクでも、数時間後に色が変わってきてしまいます。
加工日が当日であれば、その日の晩ごはんで充分おいしく食べられますので、私は色はあまり気にしていません。
ブリ系の魚は、九州の甘口しょうゆがものすごく合います。
ぜひ甘口しょうゆで食べてみてください。
・塩焼き
イナダは、塩焼き用に切り身で売っていることがあります。
切り身の両面に塩を振ります。
塩を振って10分ほどおき、身から出た水分を拭きとり、グリルで焼きます。
・ソテー
ソテーも簡単でおいしいです。
切り身に塩コショーを振り、片栗粉や小麦粉をはたいて、フライパンで焼きます。
醤油やソースはお好みでかけて食べてください。
みりんと醤油1:1の液を作り、1時間以上漬け込んで、フライパンで焼くのもおすすめです。
他には、煮付け、照り焼き、竜田揚げ…などがおすすめです。
脂がブリよりは少ないので、粉を付けて加熱調理する(ソテー、竜田揚げなど)のはおすすめです。
さいごに
今回は「イナダ」(関西では「ハマチ」)についてお伝えしました。
関西など、西日本出身の人が東京で「ハマチ」をどんなに探しても見つからない!と不思議に思い、残念に思うことはあるそうですよ。
現在でも、食べ物に関しては、地方で呼び方や食べ方がまだまだ違うことがある、という1例ですね。
釣りでもなかなか人気の魚だそうです。
確かに、40センチ以上の魚を釣り上げるのはテンション高くなると思います(^^)/。
イナダはとにかく市場価格の低い魚で、1匹まるごとで500円前後だったり、もっと安い場合も多いです。
スーパーでまるごと売っている確率の高い魚です。
捌く練習をするのにもおすすめの魚ですよ。
機会があればぜひ食べてみてください(^^)/。