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稚貝(ちがい)はホタテの赤ちゃん!年明けから春先のみ!見かけたら買って食べよう!
(2020年6月2日・2021年3月17日更新)
年が明けてしばらくすると、小さなホタテがたくさん売られているのを見かけます。
しかも、けっこう安いのです。
ホタテの大きいのは高価で手が出ませんが、小さいなら買ってみようかな、と思います。
小さなホタテは「稚貝(ちがい)」といいます。
今回は「稚貝」についてお伝えします。
稚貝(ちがい)はホタテの赤ちゃん!ホタテ養殖で発生するお得な貝!
ホタテの形状ですが、かなり小さくて、殻のついたまま売られています。
私が買うものは、大きさは5センチから8センチくらいです。
だいたい早くて年明けから、2月ごろには多く出回り、3月にかけてだんだん大きくなっていきます。
そして、4月ごろを最後に見かけなくなります。
稚貝は、ホタテの赤ちゃんです。
生後10ヶ月から1年半くらい生育したものです。
なぜこういうものが出回るのでしょうか。
ホタテは養殖が多いのですが、生まれてきたホタテをすべて最後まで育成するわけにはいきません。
植物や果物でいう「間引き」みたいなことを、ホタテ養殖でもやるのです。
その時に間引かれてしまった小さいホタテたちの有効活用で、年明けから春先にかけて、スーパーなどで売られるのです。
「間引かれたもの」などというと、少しドキッとしますが、私のような庶民にとっては、かなりありがたい存在です。
なぜなら、かなりお安く、おいしいホタテが食べられるからです。
こんなに小さくても、なかなかどうして、味はとてもいいんですよ!
ちなみに、「ベビーホタテ」という名前で、ボイル済みの小さいホタテが売られていますが、その名の通り、この稚貝を貝からはずして、茹でて販売しているものになります。
稚貝は砂抜き不要!
アサリは砂の中に生息しているので、砂抜きが必要
になります。
しかし、稚貝の生育環境は、砂の中ではありません。
ネットのようなものに寝かされて、海の中で育っています。
これだと、稚貝は砂を吸う機会はないので、ほぼ、砂抜きは必要ないことがわかります。
稚貝にくっついている白いウネウネやフジツボなどが気になる!取ったほうがいいのか?
もうひとつ、気になるのは、白くうねうねしたものや、フジツボなどの付着物です。
他には、海藻のようなねっとりとしたもの(おそらくホヤの仲間)や、時にはムール貝(ムラサキイガイ)までくっついていることがあります。
全く付いていないものを探すほうが難しいくらいです。
上の写真は、上のほうの稚貝を持つと、ムール貝、かなり小さい稚貝、他種の稚貝、がジャラジャラとくっついていた様子です。
なにかのアクセサリーみたいで面白かったです。
ムール貝は、小さくてもしっかりと「ヒゲ」を稚貝にくっつけて生きていました。
さすが、繁殖力の強い貝です。
これら付着物は、特に白いウネウネやフジツボは、気にしなくて大丈夫です。
カッターやナイフ等でこそげ落とすことは可能ですが、かなり大変だし、かえって危ないです。
白いウネウネは「カサネカンザシ」という生物で外来生物だそうです。
これがくっついていても、調理してしまって大丈夫です。
くっついて来たムール貝も、食べてしまって大丈夫とは思いますが、貝毒もある貝なので、気になるなら避けたほうが無難です。
(フジツボも、慣れている人は、食べちゃうらしいですよ(^_^;))
ねっとりとした海藻のようなものなど、謎の付着物も多い稚貝ですが、たわし等でこすって落ちるようであれば落としてください。
くっついているものは、基本そんなに危険なものはありません。
私は、どちらかというと、付着物のせいで、酒蒸しなどの味が濁るのが嫌なので、海藻類は取り除くようにしています。
すぐ引きちぎれてしまいますしね。
あまりにも気になる場合は、貝から中の身を外して調理してしまったほうが、早いし、心配がなくていいかもしれませんね!(^^)/
赤皿貝という、一見ホタテに似ている貝もよくくっついています。
時にはオレンジだったり、赤かったり、不思議な模様だったり、大きいのだと苔むしたような色だったり…と多様な色の貝です。
こちらも、最近は養殖され、商品化されるくらいの、おいしい貝です。
★関連:【貝】赤皿貝(アカザラガイ)がとてもおいしい!見つけたらラッキー!!旬や主な産地は?
酒蒸しして一緒に食べてしまって大丈夫です。
調べてもわからなかったのが、この写真の貝です。
中に、何か身が入っているようだったので、一緒に蒸したら開くかと思い蒸してみました。
しかし、全く開きませんでした(写真内下は「赤皿貝」)。
いつかわかると嬉しいです。
貝の形がいびつだったりするものは食べないほうがいいのか?
稚貝たちは、間引かれたものです。
貝の形がいびつになってしまうのは、貝の生育途上で、貝同士がかみあうなど、何らかの理由で傷が付き、傷ついたところが大きくなれなかったのが理由です。
毒性等はありませんので、気にせずに食べてしまって大丈夫です。
(むしろ、間引かれているものですから、いびつなものは多くなります。)
稚貝(ちがい)は味噌汁がおすすめ!酒蒸しもカンタンでかなりおいしい!!
カンタンにできるおすすめ料理は、味噌汁と酒蒸しです!
味噌汁の場合は、アサリと同じように作って大丈夫です。
貝をよく洗って、分量の水に入れ、沸かし、貝が開いたら、火を止め、味噌を溶かしこみます。
私は、この稚貝から上品ないいおだしが出るので、普段の味噌汁用のだしはいらないかな、と思います。
刻んだ小ねぎを散らすといいですよ!
〈※稚貝は、小さいですが、貝が薄く、けっこう鋭利です。
手を切ってしまう恐れがあります。
調理前には、流水で貝殻をしっかりと洗う必要があるのですが、洗う時はゴム手袋や軍手をはめることをおすすめします!〉
酒蒸しは、カンタンでとてもおいしいものができますよ!(^^)/
手袋をはめ、流水で、たわしやブラシなどでできるだけしっかりと貝殻を洗ったら、そのままフライパンやお鍋に入れます。
ここに、料理用のお酒を適当に入れます。
ヒタヒタにする必要はありません。
上の写真くらいの量なら、料理酒のボトルから1回し半~2回しくらいを、私は入れています。(フライパンで調理。)
火をつけ、フタをして1分弱くらい。
貝からも水分が出るので、上の写真のように、けっこうブクブクと沸いてます。
貝は小さいし薄いので、あっという間に開きます。
火のそばから離れないようにしましょう!
貝同士が重なって、下にいる貝が開かない場合があるので、フライパンを動かしたり、箸でつまんで移動させたりしながら、まんべんなく、すべての貝が開くように動かします。
だいだい開いて、中の貝も加熱できてるな(生々しくない)、と思ったら火を止めて、できあがりです。
小ねぎがあれば、刻んで散らしましょう。
稚貝の黒い丸いもの(「ウロ」)は食べてもいいのか?
稚貝にも、いっちょまえに黒っぽい部分、「ウロ」がくっついています。
ホタテの貝毒が貯まっている部分になります。
成育しきった、大きなホタテガイは、ここは避けたほうがいいのですが、稚貝のこれは、一般的には、食べてしまっても大丈夫、と言われています。
生後そんなに長くないので、貝毒もそんなに貯まってない、ということなんですね。
しかし、市販のボイル済みベビーホタテ は、この黒い部分を取り除いて売っています。
写真はボイル済みの稚貝、つまり「ベビーホタテ」です。
ご覧のように、「ウロ」は取り除かれています。
貝毒には敏感な方、少し心配だなあ、と思う場合は、ちぎるとポロッと取れますので、調理後でいいので、取り除きながら食べるといいと思います。
また、ウロから独特な味(クサミとまではいかないですが…)がありますので、あまり好きでない場合は取り除きながら食べてください。
稚貝は、大きくなったホタテとは違ったおいしさがある!!
稚貝は、大きくなったホタテとまた違ったおいしさがあります。
身がやわらかく、味も上品な淡白さで、ほっとするようなおいしさなのです。
調理や食べる時がめんどう、と思うかもしれないですが、私はそのめんどくささは苦にならないくらい、この貝は好きで、おいしいと思います。
ベビーホタテは1年中食べられますが、この貝は早春から春にしか食べられないです。
旬の時期の稚貝にしかない、新鮮なおいしさが、あると思いますよ(^^)/。
さいごに
今回は、早春から春先にしか食べられない、「稚貝(ちがい)」についてお伝えしました。
身が柔らかで、上品な味で、ほっとするようなおいしさの貝です。
しかも、かなり安いのがありがたいです(^^)/。
時期であれば通販でも買えますが、スーパーをよく見てると、けっこう売っていると思いますよ!
春の時期だけしか楽しめない味覚ですので、もし見かけたら、ぜひ買って食べてみてください!
★おまけ:稚貝についたフジツボの写真
立派なフジツボがついていました。
こちらは、片面にフジツボ、もう片側に赤皿貝2枚がついています。
稚貝を何回か買っていると、トッピングの多い稚貝のときと、あんまりついてない稚貝の時があります。
料理するならあまり付いてないほうがいいのかもしれないですが、色んな生き物がくっついている方が、私はすごく楽しいです。
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